奥州平泉観光新聞

特集

2011年新春特集「金ケ崎伝建群が10周年」
2011/08/24


▲保存物件の一つ菅原家住宅「緑が多く、生け垣の向こうに見える大家根」が城内諏訪小路の侍屋敷のスタイル


▲来訪者向けに開放している侍屋敷大松沢家のたたずまい。江戸期の庭が自慢の施設だ

 岩手県金ケ崎町の城内諏訪小路地区が、国の重要伝統的建造物群(伝建群)保存地区に選定され、ことしで10周年。藩制時代の「緑豊かな要害」−江戸時代の城下町の風情をそのままに残した歴史遺産の一つとして、広く内外に知られるようになった。住民らは「地域の誇り、宝として守り伝えていく」という理念の下、さまざまな取り組みを展開しまちづくりを進めている。o年の節目を迎え、伝建群選定までの歩みと選定後の保存へ向けたさまざまな施策、住民や環境の変化についてあらためて振り返りながら、今後の在り方を展望する。

■歩いて分かる文化財
 同保存地区は西根裏小路、仮屋、白糸、達小路、六軒丁の全域と、表小路、諏訪小路、寺下、南町、矢来の一部にまたがる。南北980メートル、東西690メートルで面積は約34・8ヘクタールある。ここはかつての要害(伊達藩における城や砦に準じた装備拠点)と武家地のほぼ全域に当たる。
 江戸時代の地割りをはじめとする基本的な構造を踏襲し、かやぶきの武家住宅など伝統的建造物を今に残す。生け垣や屋敷林で構成される屋敷地は、緑豊かな周囲の自然環境と一体となり、特色ある歴史的風致を見ることができる。それだけに「実際に歩くと分かる文化財」として知られる。
 保存物件として建築物(主屋、その他)29棟、工作物(門、石積み、井戸、土塁など)36件、環境物件326件が登録されている。
 伝建群指定を受け、町は2001(平成13)年11月に同保存地区保存事業実施計画(01|10年度)を策定。白糸まちなみ交流館や旧大沼家侍住宅などの復元工事、防火水槽建設などの整備を進めてきた。公開住宅としては現在、町、個人所有合わせ▽旧大沼家侍住宅(06年11月から)▽伊東家侍住宅(08年5月から)▽大松沢家侍住宅(09年7月から)▽旧坂本家侍住宅(10年4月から)−の4カ所がある。

■実際に生活+もてなし=金ケ崎スタイル
 無理に観光地化はしない。住民にとってはあくまで居住、生活の場だから。しかし一方で、伝建群の認知度の高まりとともに来訪者も増えてきた。「伝建群は国に認められた文化財。見る価値はあるし、多くの人に興味を持ってもらえて当然」。来訪者にありのままの姿を見てもらうことは重要だ。
 住民らが「住みながら守る」という姿勢を維持しつつ、見学に訪れた人には精いっぱいのもてなしを−。思いを同じくする住民有志らは、自発発生的にボランティア団体を結成。来訪者のガイドなどを務めている。情報発信の拠点的役割を担う白糸まちなみ交流館には、毎年1500人もの来館者が訪れる。
 09年からは「もてなし」の延長線上に、喫茶や軽食の提供、簡単なお土産販売といったビジネスも生まれ始めた。
 伝建群保存審議会の初代会長を務め、選定当時から伝建群を取り巻く住民や環境の変化を見つめてきた阿部束さん(83)は、住民による対外的サービスの姿勢に「10年前にはなかったもので、(住民の心境が)大きく変わってきた証だろう。自分たちの誇れる地域をどう伝えていくか、真剣に考え、実際に動きだす人たちが増えてきた」と感慨深げに語る。
 昨年7月には、伝建群の保存活用へ向け中心的役割を担う住民団体「城内町並み保存会」も発足した。この組織を中心に、住民主体の伝建保存活動は今後ますます本格化しそうだ。

★伝建群保存地区★
 歴史的集落・町並みの保存を目的とする制度で、1975(昭和50)年の文化財保護法改正で創設。市町村の主体性を尊重し、都市計画と連携しながら周囲の環境と共に保存整備することに重点を置いたのが特徴といえる。
 選定基準は@伝建群が全体として意匠的に優秀A伝建群および地割がよく旧態を保持しているB伝建群およびその周辺環境が地域的特色を顕著に示している−の三つ。
 金ケ崎町はAの基準で、全国で56番目に選定された。県内では唯一。東北では4県・5カ所、全国では88カ所(2010年10月現在)。

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